「幻想曲とフーガ」は、東日本大震災後に宮城県芸術協会のピアノコンクール課題曲として、本作品の冒頭部分が作曲されました。その後コラール部分などを加筆、補筆して今回の作品となっています。タイトルにあるように、バッハの同名のオルガン曲の重厚な響きをイメージしてオーケストレーションしました。

調性はバッハの作品とは異なりますが、悲劇の調性とも言われるハ短調を選んでいるのは、自身の前作であるピアノ曲「悲しみと絶望の果てに」があるからに他なりません。震災からの復興を描くというよりは、その悲劇や惨劇の記憶を伝えるために書いた作品が発端ですので少々重たい曲想となりました。そうしたイメージを表現していただければ、作曲者としてとても嬉しく思います。

Flute

Oboe

Clarinet in B♭

Horn in F

Bassoon